<DATA>ポストコロナ時代のダイバーシティ②

 経団連が実施した「ポストコロナ時代を見据えたダイバーシティ&インクルージョン推進」に関するアンケートではD&I推進の効果と課題についても言及している。D&I推進の効果として危機対応力の向上を望む企業が多かったが、実際にいち早く働き方改革に着手していた企業はコロナ渦においてスムーズなリモートワークへの移行など、その効果を実感しているようだ。
 その一方でD&I推進の課題として多かったのが「成果をあげるのに時間がかかる」「D&I推進の重要性を経営層や社員に重要性を浸透させるのが難しい」というものだ。
 これまでの取材でも「D&I推進は業績向上につながるのか」という声が管理職層からも聞かれることが少なくなかった。D&I推進を経営戦略として捉える企業も増えている。このようなことからもダイレクトに組織成長につながる施策や取り組みが先の課題解決の1つの方策として考えられる。
 D&I推進を行っている企業はキャリア支援や研修、福利厚生の充実やダイバーシティ関連のシンポジウムやイベント等を行っているケースが少なくない。これらの施策は重要だ。しかし経営層や管理職などがその効果を実感し業績に反映させるには時間がかかる取り組みともいえる。
 本アンケートでは「特にD&I推進に効果的な施策」が事例として掲載されている。この中では社長がオーナーとなり若手社員たちがタスクフォースを組んで会社の持続的成長や企業カルチャーの醸成につなげているプロジェクトが紹介されているが、このような取り組みは効果的だと考える。ポストコロナ時代ではダイバーシティのためのD&I推進ではなく、プロダクトイノベーションやプロセスイノベーションといった組織の成長(業績)を促進する取り組みの重要性がさらに増すと考える。

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