AIで採用活動の時間を大幅に削減
FRONTEOのAIはビジネスでも活用されており、採用や定着といった人事領域でも効果をあげている。例えば新卒採用のエントリーシート選考にAIを導入し将来のハイパフォーマー候補を効率的に発見するだけでなく、書類審査の所要時間を約7割削減することに成功した企業事例がある。10年以上働いた社内のハイパフォーマーのエントリーシートをAIが学習し応募者のスクリーニングを支援。最終判断は人事が行うが、人事の業務負荷を減らして効率的かつ効果的な新卒採用に成功したケースだ。「人事担当の方たちから“面接といった採用のコア業務により多くの時間が使えるようになった”との声を頂いております。」(山本氏)
人材定着でも効果を上げた事例がある。入社1年目の新人のリテンション率に課題を抱えていた企業のケースだ。この会社では年に7回ほど新卒社員と人事面談を行っていたが、その面談データを人材定着に活用できていないという課題があった。そこでFRONTEOのAIが面談記録を学習し、実際に離職した人のデータを教師データとした。これにより離職者予備軍を中心に人事がフォローできるようになった。この企業が 、AIによって離職の可能性のアラートがでた社員を2つのグループに分け、 効果検証を行ったところ、人事的なフォローをしたグループの離職率が16%だったのに対して、フォローをまったくしなかったグループの離職率は37%であった。このことから、AIは退職リスクが高い社員を抽出していることがわかり、その有効性が確認された。
同社の理念は「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供して情報社会のフェアネスを実現する」だが、営業領域のAI活用でリスクとチャンスの両方の機会発見が可能だ。例えば営業日報で各人の営業のやり方をAIが分析してコンプライアンスチェックができる。その一方で潜在顧客の発掘やハイパフォーマー分析といったビジネスチャンスの解析もできる。「営業日報は宝の山です。営業活動上のコンプライアンス違反というリスクを発見することもできれば顧客開拓の機会や可能性なども拾い出すことができるからです。このようにリスクとチャンスを1つのデータから解析をして示唆をすることは弊社AIの得意領域です。」(山本氏)