GTNはオリジナル商品をお歳暮としてクライアントに贈っているが、それを自分たちの手でイチからで作っているのが特徴だ。日本酒や揚げもちなどのお歳暮づくりとして、社長を含む役員、社員らが農家に出向き田植えや稲刈りなど米づくりから関わる徹底ぶりだ。この農作業をワークショップと連動させているのも特徴で、日中は田植えや稲刈り、そしてその夜にワークショップを行うというユニークな取り組みとなる。
この「稲刈り・田植え階層別ワークショップ」は例年5月と9月に行う。5月の参加者は部長以上の管理職や経営層などで9月は各部署から選抜された若手社員が主となる。5月のワークショップでは各管理職が会社の方向性などをプレゼンし、それについてディスカッションするのが主な内容だ。「経営や管理職層と会社の方針の確認・共有する機会は重要です。このような場がないと会社の根幹がぶれる可能性が危惧されます」(後藤社長以下同じ)
9月のワークショップは次世代の幹部候補(若手)が参加するが、この場では後藤氏は参加者の夢や会社への提案などを聞くことに主眼を置いている。「若手の意見を聞くことは私たちの勉強になるため聞き手に回ることが多いですね。経営への質問に対しても直接、答えることができるので参加者だけでなく、その人の同じ部署の人たちの会社への疑問解消など納得感を高めることにつながります。」
農作業と連動したワークショップというのは珍しいが、その効果も大きいようだ。自然の中で共同作業をして、寝食を共にした経験は参加者同士、そして経営トップの関係性も高める。「オフィスとは違う田舎での共同作業は記憶に残るし、参加者同士の関係性も格段に良くなると感じています。非日常空間で共通体験することで経営と社員という関係から友人に近い関係性になることもメリットの1つだと思いますね。」